ゲーム・オブ・スローンズ 最終章の話



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いや良かったけどね。

ネタバレを含みますけれど。

 

というわけで、ついに見てしまいました。

なぜ最後だけ見てなかったのかというと8だけ有料だから...

 

 

シーズン7まで見ていてフェミニズム色が強い作品だと思っていたんですが、8を見たらより一層その視点での納得感があった。

評判悪いけどね。。

 

全ての男たちは死ぬ。でも私たちは女。

 

私はこの世界をより良いものに変えてみせる。

 

この中世的ダークファンタジーの中でおおよそ男たちは有害なものとして描かれていて、世界に害をなす社会的優位な存在。それが男だ。あながち間違ってない。

覇権争いという様式を取りながら主軸は虐げられている属性や容姿を持つ個人対社会の軋轢や葛藤なのは現代的だし、古典的なストーリー展開がフェイクとして使われているのも面白い。

父親を処刑されたスターク家の息子ロブの復讐物語というフェイクがあり、娘の成長物語があり夜の王の戦いとブランの鴉おじいさん探しの冒険ありで盛りだくさんだが、やはり主役は小人症で親からも忌み嫌われているティリオンであり、男社会に虐げられる女の象徴デナーリスの二本柱かな。ヒール役のサーセイも女だからというだけで親父に散々差別されてきたわけでデナーリスと対をなす存在といえる。

そう見れば旧来のダメ男封建社会からの脱却と女の時代への物語。

女はこうあるべき、こう生きるべきという見えない同調圧力に対して個人の生き方の自由を目指したのがアリアであり社会の変革へと進んだのがデナーリスだが、その流れをさらに一歩進めたのがこのシーズン8だ。だからこそアリアはジェンドリーをやり捨てて旅に出るわけ。それはいいか。

書き出すと終わらなそうなので話をシーズン8のデナーリス超展開(といってもいいだろう)に絞るとおそらく最終話、ティリオンが牢屋の中でジョンに語るシーンにこの低評価が予想される筋書きへの回答がある。

 

奴隷商人を殺しても親方たちを磔にしても民は怒らなかっただろう?相手は悪人だからかまわない。彼女のいく先々で悪人たちが死に至り、我々が歓声をあげる。彼女は力をつけて自分がますます善人で正しいと思い込む。皆のために世界をよくすることが使命だと信じ込む。

 

理想が高いほど目的のため未来の世界のためと人は今この現実に生きる人々に加害をなすことがありますね。自分を信じる意思を固く持ち続けてきた人なら尚更だろうし、そんな理想がもたらす過ちを最後の最後で大胆に描いている。

ラストシーズンまで攻めの姿勢は素晴らしい。凡人にできる展開じゃないなこれ。

デナーリスの神がかり的カリスマ性や虐げられてきた女という属性は人を惹きつける要素十分だが、それらが時々に示されていた彼女の非道な行いをも正当化させてはいないか。支持者は目を曇らせてはいないか。これは視聴者にもいえるわけだ。シーズン7までは視聴者もデナーリスの支持者だったはず。

だから結果的にはデナーリスの物語も壮大なフェイクだったわけだが、最後に視聴者自体を裏切る。フェイクというか破滅エンドか。最終章になってようやく見つけた「信じるもの」を見誤っていたことに気付くティリオンの失望感。これはまさにシーズン8の視聴者である私たちそのもの。

だがこれまでのファンを裏切る超展開だから、低評価は頷ける。ロブとは話が違う。

私は良いと思うが。

別に理屈を考えなくても単純にデナーリスの解き放たれた冷酷無慈悲な目的追求、城下町を破壊しまくり大量殺戮するシーンに続く破滅エンド、魅力的だよね。私だけ?

玉座の真の継承者とはなんだったのか。

ジョンもダメで、最終的にこの子の話どうすんのと思っていたブランが王になる。デナーリスの死の後日譚は尺がなかったのか、かなり雑で拍子抜け感あったけれど流れとしては頷ける。というよりもこれしかなかったのかも。ブランあそこまで匂わせておいて何もなかったら、どうすんだよ。

ジョジェンだけは結末を知っていた。だからこそ彼はブランの成長のために自分の命を投げ打ったんだよね。つまり彼こそが良い王になることまで見えていた。そう思いたい。

そして王に必要なものは何か。それは暴力でも癒しでもカリスマでも継承権でもない。男でも女でもない。広い見識だ。歴史に学び人を知るもの。それが三つ目の鴉の意味だ。そしてこの時代の常識では笑いとばされるが、ゆくゆくはサムのいう民主政治へと繋がっていくという話だろう。綺麗だよね。

 

 



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