魂のゆくえ / First Reformed



 

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ネタバレを含みますが。

 

うーん。。

どうなの。

途中まですごいよかったです。

地味で。

 

ja.wikipedia.org

ポール・シュレイダー監督が50年もの長きにわたって構想し続けてきた企画がついに映画化されることになり、

 

50年越しとはまたすごい・・・

タクシードライバーの方ですね。

 

原題のReformedというのが大文字ですが、改革派教会とかカルヴァン派とかの教会を意味するらしい。そこまでわからんです。

まあ聖書にも解釈の違いがいろいろあるってことか。

 

 

中盤まではすごくいい雰囲気なんだけど、ラストがあまりにも違和感がある。

主人公の中盤までの印象とラストに至る(未遂?)行動の違和感がすごかったので、正直なんだこれ、となった。

 

奇をてらいすぎたのかな。

 

教会と企業の癒着だかがクソでも環境問題に興味持っても自分の無力さに打ちひしがれても死を実感したとしても、してもですよ。

敬虔なキリスト教との牧師が自爆テロを選ぶというのは、うーん。

意味がわからない。

なんかこう、辻褄が合わないよ。

人はいくら苦悩しても死が近くても、あまりにもその人の中にないこと、辻褄が合わないことはやらないと思う。それがなんていうか、リアリティーかなあ。フィクション上のリアリティー。

例えばタクシードライバーのトラヴィスさんはそういう危うさが漂っている人物だから、ストーリーにリアルがあるわけで、これはちょっと違うような・・・

わからんけど。

これまでの信仰を無にしてしまう上に意味もないテロ行為に、この主人公が至るとはとても思えなかったので、人物設計おかしくないかな。

たしかに苦悩していたけど、信仰と苦悩は相反するものではないでしょう。

相談相手の自殺も環境問題も自身の無力感もこの人物の場合はだが、動機にはならない気がする。

もともとうわべだけの浅い信仰心と人物だったんですよといわれれば、それはまあありえるが、そんな人物をわざわざ映画で見せる意味がないよね。狂気とも違うし。

狂気じゃなくてバグっぽい。設計不具合みたいな感じを受けた。

さらには妄想か知らんけどメリーさんと愛し合ってしまうのか。

ここまで書いていて思ったんだが、ラストはもしかしたら自爆テロをしそうになったがメリーが現場にきてしまったことで未遂に終わり結果救われた、という意味なのかな。

メリー=マリアってことなのかな。

しかし、それにしては普通のラブシーン的だよな。崇拝でなく性欲を感じる。

救われた的な意味ならもっと別の描き方をするよな。

いや、よくわからん。

信仰心的な映画でもないような。

宗教的映画というよりは、宗教とは無縁な人々の視点から見た信仰のうさんくささや危うさ、またはテロリズム要素。オウム真理教みたいな。空中浮遊あったし。あそこの映像、そういえばあそこだけたしかにカルト教団の雑なオリジナル映画っぽいな。そんなものを描こうとしたのかな。でもそうすると中盤までの主人公とあまりにも乖離しているので、それにも失敗している気がしないでもないけれど。

 

 

miyearnzzlabo.com

 

(町山智浩)だからその、宗教団体の方も自分たちの本当は守るべき平和だったり地球だったりを守らないで、それを破壊するような戦争とか、石油化学工業の方に妥協するという形で、みんな妥協しているんですよ。 

 

なるほど。

そういう話だったのか。

だからといって、でも死に際に自分の教会で自爆テロはしないと思うんだけどなあ。

いや、あの人物はね。だって、自分の教会爆破して環境破壊企業に勤めてる誰か殺しても意味ないからな。意味ないことをやるタイプには見えないな。

だからその辺の説得力を感じない映画だった。

現実的な問題を提起できたからいいんだといえば、そうなのかもしれないが、それなら映画というフォーマットでやる意味をあまり感じないかな。

いやいや、映画でやらないで誰が興味を持つ、といわれればそれもそうか。

誰かが詩を書いてもほとんど興味を持たれないけれど、曲なら聞かれることもありますね。

なるほど。でもなあ。。

それならばいっそドキュメンタリー映画のほうがいいのかも。

ドキュメンタリーだとみんな見ないでしょ・・・はあ、まあそっか。

 

eiga.com

--次の世代が受け継ぐものについての映画でもありますよね?

「私は歴史のスイートスポットに生きています。戦後世代でベビーブーマー。貧困や飢餓が最も少なく、教育が最も盛んで、最も娯楽的な時間です。歴史上、最も楽観的な時代だといえるでしょう。そしてこの驚くべき環境で私たちは何をしているでしょうか? 子孫のために、それを台無しにしただけです。我々は最高の世代の産物であるがゆえ、最も欲深い世代でもあるのです」

 

なるほど。

 

--あなたも人間による地球の破壊を心配していますか?

「種が決断を下したのだと思います。もうとっくに手遅れです。未来の生存よりも、現在の快適さを選択したのです。テクノロジーに思うままに翻弄されている。我々は進化の移り変わりの時期にいるのだとも思います」

 

環境問題はまあ快適さを選択したというよりは、これもそういうバグがありましたって話だと思うけどね。

個人や企業は私たちの生活がより良くなるために努力して競争して社会に貢献してきたわけだが、それに比例して環境を汚染しますって話だから、それは選択というよりはバグでは。快適さの追求それ自体が悪でもないわけだが、問題はバグが認知されても、既存の資本主義なんかのシステムでは解決不能だってことで、だって個人や企業や国が自分の利益や幸福を追求することを是として競争してるわけだから無理だよね。地球の潜在的バグだ。

 

映画の感想だったなあ。

セリフとか非常におもしろいけどね。

最後がなあー、という感じでした。

もう一度見れば印象が変わるかもしれないけど。

機会があれば、また見てみます。

 



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